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訪問報告

YeLL訪問報告~渡島檜山地方編 その1~

稲生会の川村 健太郎です!

今月はYeLLで渡島檜山地方を訪問しましたので2回に分けて報告します。

まず1回目は八雲町のあかしや保育園で行った医療的ケア児の入園受け入れ支援についてです。

気管軟化症という病気のために気管切開行っているMちゃん。

ご飯の飲み込みも上手ではないので、鼻から栄養摂取のためのチューブが入っています。
4歳になるまでずっと入院生活を続けていたそうですが、立って歩いたり、お話することも出来ます。

退院後から大好きなお兄ちゃんと同じように「学校(保育園)に行く」と言い始めたそうです。

その願いが地域に届いたときから、ぜひともMちゃんに保育園へ通って欲しいと、これを実現するための活動が始まりました。

まず、保育園が「受け入れましょう」と決意を示し、新たに看護師さんが採用されました。

私たちは、安全対策検討の支援をして欲しいとのリクエストを受け、今年の春に保育園を訪問し、
気管切開の勉強会や気管カニューレ(空気の通り道を確保する管)が抜けてしまったときの対策検討を行いました。

その後も自治体や地元病院のバックアップを受けながら地域ぐるみで準備を進め、
ついにこの夏から保育園へ通い始めることが出来ているとの連絡を受けたので、
今回はその様子を見せて頂きました。

はじめは本人も周りのお友だちも戸惑う様子があったようですが、いまではすっかり溶け込んでおり、
みんなとホールを走り回ったり、ブロックであそんだり、学習発表会に向けた歌の練習をしたりなど、
Mちゃんがいることが当たり前の風景に、なんだか感慨深いものを感じました。

登園初日に「この管は呼吸をするのに大切なものです」と園児全員に説明することで、
子どもたちもその大切さを理解しているようです。

予備の気管カニューレを用いた事故抜去シミュレーションでは、園児がそのカニューレをサッと拾って
先生に手渡したそうです。

Mちゃん にとってはもちろん、他の園児にとっても、多様性を認め合うことが出来るこの環境は、
とても意義のある場所だと思いました。

また、地域にとっても Mちゃんの存在は、保育、行政、医療を強く結びつけ、
大きな影響を与えたのではないかと思っています。

今後も、YeLLではこうした活動を応援していきます!

※ご家族、保育園の了解を得て写真を掲載しています。

八雲