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訪問報告

YeLL訪問報告~釧路編~

稲生会の土畠です。

少し遅くなりましたが、6月28日(火)~30日(木)、YeLL訪問にて釧路に伺ってきました。

初日は、在宅人工呼吸器患者さんの中学校(特別支援学級)にお邪魔した後、夕方に釧路市立病院を訪問。

2日目は午前中に、釧路市内で在宅生活を送っている、つむぎちゃんのご自宅に伺いました。

以前、札幌で入院されていたときに、呼吸管理で少し関わらせて頂きました。

釧路では、つむぎちゃんのように気管切開24時間人工呼吸器で生活されているお子さんはあまり多くないとのこと。

やはり、医療に関する社会資源もあまり多くないようです。

それでも、現在2カ所のステーションから訪問看護を受け、最近では児童発達支援への通所も開始、
まだ短時間とのことですが、お母様がお子さんから少し離れて休める時間も作れるようになってきたと話してくださいました。

つむぎちゃんを受けてくださる事業所さんがあっても、気管カニューレからの痰の吸引や、人工呼吸器管理に
慣れていないスタッフが多いとのことですが、お母様が「それでも、少しずつ慣れていってもらえば、そういう子ども達を
受け入れてくれる事業所が少しずつ増えてくると思うんです」とお話されていたのが印象的でした。

最初は誰でも不安があります。

それは、新たに在宅生活を始める本人、御家族だけではなく、そこに関わる医療・福祉・教育などのスタッフも同じです。

「患者さんとご家族が、医療や福祉スタッフを応援する」、そんなYeLLのかたちもありますね。

写真は、つむぎちゃんとご両親です。つむぎちゃんと一緒に映るために、上からの撮影になっています。

つむぎちゃんのご両親、釧路の将来に向けて新たなことを始められるとのこと。

つむぎちゃんが釧路にいることで、YeLLのかたちが広がっていきますね。

その後、午後は釧路保健所で情報交換会、夕方に釧路赤十字病院を訪問した後、
夜は釧路赤十字病院、釧路市立病院の若手の先生方と懇親会に参加。

そして3日目は、在宅で夜間のみNIV(鼻マスク式人工呼吸器)を使用しているごきょうだいを訪問しました。

まず、おねえちゃんの通っている学校にお邪魔して、先生からも普段の様子などについてお話を伺うことができました。

特別支援学級なのですが、休み時間には普通学級の友達もたくさん教室を訪れていて、皆で楽しそうに過ごされていました。

小学校6年生の弟さんも御家族とともに来てくれていたのですが、その日は避難訓練の日だったとのこと。

急遽、弟さんと一緒に、僕も参加させて頂きました。

最初に、先生から避難訓練の心得について指導があり、「皆の一番大事なものは何ですか?」との質問に、
「自分のいのち!」との元気な回答。その後に、火災のとき、大津波のときの避難場所を確認。

そして、非常ベルが鳴ると、それぞれあらかじめ決めていた方法で自分の身を守りながら待機。

避難指示を受けて全校生徒でグラウンドに避難しました。

釧路5

弟さんは、普段は特別支援学校の訪問学級で教育を受けているため、集団での避難訓練は初めてとのことでした。

非常ベルが鳴った時は思わず泣いてしまいましたが(あの音、わかっててもけっこう怖いですよね)、
実際に避難するときにはむしろ少し嬉しそう?な表情で、どんどん進んでいきました。

最後は、グラウンドで先生方のお話を聞きました。全校生徒が避難を終了するまで3分だったとのこと。

ふざける生徒もおらず、とても立派だったとお話されていました。

最終日、札幌に帰る前にこのごきょうだいのご自宅を訪問しました。なんと、牧場です!

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大きな乳牛が80匹、すごい光景でした。釧路訪問初日に生まれたばかりという仔牛にも会うことができました
(写真の仔です)。

このごきょうだいも、いつも電動車いすで牛舎に遊びに来ているとのことでした。

人工呼吸器という高度な医療を必要としながらも、道東の雄大な自然の中で生活するご家族の姿を

垣間見ることができ、とても勉強になりました。

次回の訪問までに、私たちがどんな応援ができるか、考えていきたいと思います。

「先生!次来るときは牧場の仕事体験してって!」と言われたので、覚悟して訪問したいと思います(笑)。